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​「スタディサプリ」でも活躍している山下翔平先生からのメッセージです。
ぜひ、ご覧ください。

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​【①意味の実感】

【短文読解】 現代文において「わかる」とはどういう状態を言うのか
◆現代文で「わかる」って何?
現代文は長文を読んで回答していくものですが、まず短文読解が正確でないと当然ながら長文読解もできないことは明らかでしょう。
しかし、社会などと異なり、現代文は「自分が今読んでいる文章をわかっているのか、わかっていないのか」がよくわかりにくい科目です。
それでは現代文において「わかっている」状態とは、どういう状態を言うのでしょうか?

結論から言えば、「文章を読んでいて、「意味を実感できる」状態です。「イメージが頭に浮かんでいる」状態と言ってもよいでしょう。

たとえば、次の文章を見てください。もともとの問題としては、特に傍線部などは振られていなかったものですが、次の意味が実感できるでしょうか?

問題
制度化された集団のメンバーとしてふるまっているばあいには、個人は、(A)集団内部と(B)集団外部の双方に責任を負っている。そして集団もまた、集団としての同一性を保持している以上、集団としての責任を負っており、そのメンバーたちは、自分たちの集団の過去の所業にかんしても、責任を負っている。

問一 傍線部(A)集団内部の責任と波線部(B)集団外部の責任とはそれぞれどういったものが考えられるか。本文によらずに自分で考えて書きなさい。

いかがでしょうか?
なかなか難しかったかもしれません。
肝心なことは、抽象的な文章を頭で想像して、具体的な例を思い浮かべながら読むことです。

考えるプロセスはたとえば以下のようになります。

◆解答プロセスと答え
「制度化された集団のメンバー」→なんだろ?たとえば、部活とかは制度化されているし集団かな?じゃあ野球部にしとくか。
「個人」→個人っていうと部員の一員だよな。そしたらここはキャプテンということにしとくか
傍線部A:「集団内部の責任」→キャプテンは、「集団内部」=野球部の中ではどんな責任があるだろう? 練習メニュー考えたり、みんなをまとめたりするよな。
傍線部B:「集団外部の責任」→集団の外部って言うと他の学校とかだよな。高校野球だとキャプテンは代表として大会のトーナメントを決めるくじを引いたり、対外試合で代表として向こうのキャプテンに挨拶したりするよな。じゃあこういうのが答えかな!

◆まとめ
そのとおりです。このような形で「道の情報を具体的な例を思い浮かべながら読むこと」が特に難関校では不可欠のものです。
その際に使う力は主に3点です。
・語彙力
・想像力
特に大切なのは語彙力と想像力ですね。
語彙力はすべての基本です。不思議なことに語彙力と思考力はほぼ比例します。知識がない人に考えるのは困難です。
また人間の想像力には限界がありません。この2つの力をつかって道なる問題を読み解いていきましょう。

​【②読解のコツ1】

「具体」と「抽象」の往還で読解力up

◆「具体」と「抽象」ってそもそも何?
国語の文章では、よく「具体」と「抽象」という言葉が出てきます。
ここで問題です。「具体」と「抽象」はどちらが大事でしょうか?


「具体」!と答える人が多いと思います。
学校では「もっと具体的に説明して」など言われますもんね。
しかし、国語においては、抽象のほうが大切です!
なぜなら、筆者の主張は抽象的な記述に凝縮されているからです。

・具体:実際の例・出来事・事実(例:「スマホでの動画視聴」)
・抽象:考え方・原理・一般的なまとめ(例:「現代人の時間の使い方の変化」)
現代文では、筆者の考え方や原理、まとめが設問で問われることがほとんどで、抽象が解答の根拠になるのです。


◆例文で考えてみよう
例文:
最近の若者は、通学中にイヤホンをして動画を見たり、音楽を聴いたりすることが多い。
こうした習慣は、一人の世界に閉じこもる傾向を強めているのかもしれない。

この文の前半は「具体」(実際の行動の例)、後半は「抽象」(その背景や意味)です。
もし前半だけ読んでいたら、ただの「若者の行動紹介」にしか見えません。
でも後半を読むことで、筆者が言いたいのは「一人の世界に閉じこもる傾向」=人間関係の変化という問題意識だとわかります。

◆なぜ「抽象」が大事なのか?
多くの人は「具体」だけを追ってしまいます。
しかし、筆者の「主張」や「意図」は、いつも抽象の中にあるのです。
・具体は「例」
・抽象は「言いたいこと」
たとえば、評論文で筆者がたくさんの具体例を並べているとき、
「結局この例から何を言いたいの?」と問いかけて読むと、
抽象的なメッセージが浮かび上がってきます。

◆練習問題
問題文:
あるカフェでは、店員が客の名前を覚え、来店のたびに「おはようございます」と笑顔で声をかけてくれる。
こうした小さな行動は、人と人とのつながりの温かさを思い出させるものである。

問い:
この文章における「抽象的な内容」はどれか。
ア 店員が名前を覚えてくれること
イ 笑顔で声をかけてくれること
ウ 人と人とのつながりの温かさ
エ カフェの接客方法の工夫

→ 正解:ウ


◆「抽象」をつかめるようになると、すべての教科が伸びる!
抽象的な考え方をつかめるようになると、
国語の読解だけでなく、英語・社会・理科・数学の文章題でも強くなります。
なぜなら、どんな文章にも「具体的な事実」と「それをまとめた考え方(抽象)」があるからです。

抽象を読み取れる人は、科目を問わず、「何が言いたいのか」を的確につかめる人です。

​【③読解のコツ2】

筆者の本音は「繰り返し」の中にある

◆「反復」とは?
反復(はんぷく)とは、同じ言葉や内容をくり返す表現のことです。
たとえば、「大切なのは努力だ。努力こそが人を成長させる。」のように、同じ語を繰り返すことで、筆者が強く伝えたいことを印象づけています。

◆なぜ筆者は同じことをくり返すのか?
文章の中で同じ言葉や考えを何度も出すのは、
「ここが一番言いたいんだよ!」という筆者のサインです。
人は何かを強調したいとき、自然とくり返してしまいます。
話し言葉でも「本当に、本当にありがとう」と言えば、気持ちが強く伝わりますよね。
文章でも同じで、反復は筆者の感情や主張を浮かび上がらせる働きを持っています。

◆例文で考えてみよう
例文:
私たちは、便利さを求めすぎてはいないだろうか。
便利さは確かに生活を豊かにした。しかし、便利さは私たちの考える力を奪ってはいないだろうか。
ここでは「便利さ」という言葉が3回出てきます。
筆者はわざと同じ言葉をくり返すことで、
「便利さ」というテーマに焦点を当て、その裏にある「考える力の低下」という問題を強調しているのです。
→ つまり、「何度も出てくる言葉」こそ、筆者の関心が最も強い部分。

◆反復は「主張」を見抜くヒント
評論文で筆者の主張を問う問題に強くなるには、
以下のポイントを意識してみましょう。
① くり返されている言葉をチェック!
同じ語句・同じ内容が複数回出てきたら、そこに注目。
筆者が意図的に繰り返しているなら、それは主張の中心語です。
② くり返し方の変化を見る!
最初は「〇〇が大切だ」と言っていたのに、
後半では「〇〇こそが人を変える」と言っていれば、
その変化の中に筆者のより深い意見が表れています。

◆小説にも出てくる「反復」
反復は評論だけでなく、小説にもよく使われます。
例文:
母の笑顔が、何よりも嬉しかった。あの頃の笑顔が。
同じ「笑顔」という表現をくり返すことで、
主人公の心の中の大切な思いが強く伝わってきます。
反復は、感情表現を豊かにする文学的な技法でもあるのです。

◆まとめ:「反復」は“筆者の心の声”
反復は、ただのくり返しではありません。
それは筆者が「ここを伝えたい!」という心の声の反映です。
文章を読むときに、
「この表現、何度も出てくるな…」
と思ったら、そこに注目してください。
それこそが、筆者の主張の“核”となる可能性があります。

​【④読解のコツ3】

「対比」を見抜くと筆者の主張がわかる!

◆例文問題
次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。

【本文】
 便利さを追い求める社会の中で、私たちは「効率」という言葉に強く惹かれてきた。短時間で多くの成果を出すことが称賛され、ゆっくり考える時間は「無駄」とみなされることさえある。
 だが、効率だけでは見えない価値も確かに存在する。たとえば、時間をかけて一つのことに向き合う中で生まれる発見や、遠回りの中で育まれる人間関係。そうした経験は、数字では測ることのできない豊かさを私たちに与えてくれる。
 「速さ」を求める社会の中で、「遅さ」を大切にできるかどうか。そこにこそ、これからの時代を生きる私たちの姿勢が問われているのではないだろうか。


【問い】
(1) この文章で筆者は「効率」と対比して何を重視しているか。

(2) この対比から筆者の主張として最も適切なものを、次の中から選びなさい。
ア 効率を高めることこそが豊かさにつながる。

イ 時間をかけることには価値がない。

ウ 効率だけでなく、ゆっくり考える時間も大切だ。

エ 社会の変化に合わせて速さを最優先すべきだ。


【解答例】
(1) 「効率」に対して、「時間をかけて得られる豊かさ」や「遅さ」
(2) 正解:ウ


解説:筆者の主張は“対比の後半”にあることが多い
この文章の構成はとても典型的です。
1段落では「効率を追い求める社会」という現代の傾向を示し、
2段落ではそれに対して「効率では測れない価値」があると述べています。
つまり、筆者は「A(効率)」と「B(非効率・遅さ)」を対比することで、
「Bの価値を見直そう」と主張しているのです。

◆「対比」を見抜く3ステップ
1. 逆接の言葉(一方で、対して、AではなくB)に注目する
2. 「なんか反対の意味だな〜」と思ったら、傍線と波線で整理してみる
3. 対比されている内容を比べながら読む
これができれば、筆者の意図を掴みやすくなります。

これからに読解問題に取り組むときは、
「筆者は何と何を比べているか?」を意識してみてください。
それだけで、読解の正確さが上がってきます。

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