「楽しく、楽な」漢字の覚え方
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- 8月15日
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導入
国語学習で大きな柱のひとつが漢字です。ただ「何回も書く」だけの勉強法は、短期的には覚えたように見えても、時間が経つと忘れてしまうことが多いものです。実は、脳に記憶を定着させるには「思い出す」という過程がとても重要です。これは心理学でも「検索練習(リトリーバル・プラクティス)」と呼ばれ、世界的に効果が認められています。
例えば、『千と千尋』の「尋」の漢字は、保護者の皆さんも「ヨ!エロ寸」で覚えたのではないでしょうか。
このようにただひたすら書くのではなく、「思い出す」というのが漢字を覚えるにはとても重要です。
漢字は「書く」より「思い出す」練習を
ノートに何十回も同じ漢字を書くと、その場では手が覚えてしまい、逆に脳が深く考えなくなることがあります。一方で「この漢字、どう書くんだっけ?」と自分の記憶を探る練習をすると、脳は情報を再構築し、長期的な記憶につながります。例えば、教科書を閉じて頭の中で漢字を思い浮かべてから書く、前日に習った漢字を何も見ずにテストする、などが効果的です。
家庭でできる「思い出す」漢字練習法
①まず苦手な漢字を要素に分解します。例えば「輸」だったら、
・車偏(くるまへん)に
・𠆢(ひとやね)に
・月に
・刂(りっとう)だ!
と4つに分解できますね。
②目を瞑って今の4つの要素を思い出せるか考えてみます。
③思い出せなかったら、目を開いて、また「輸」の漢字を見て、要素を思い出し、②に戻って思い出します。
④思い出せたら一回だけ紙に書いてみましょう。できましたね!
この覚え方の方が100%記憶に定着します。
応用編
輸出の「輸」が覚えられたら次は愉快の「愉」を覚えてみるのもいいかもしれません。
同じ読みで右側が全く同じですね。違うのは車偏か、忄(りっしんべん)かの違いだけです。
どうして輸出の「輸」は車偏で、愉快の「愉」は忄(りっしんべん)なのでしょうか。そうやって考えていくと部首の理解や漢字の作りそのものの面白さが見えてきます。
漢字同士の関連性が見えてきましたね!
こういった漢字は「形成文字」といって、主に意味を表す部首と、黄泉を表す要素で構成されています。
実は常用漢字のうち、6割程度が形成文字となっています。
まとめ
漢字学習は「書く」だけではなく、「思い出す」練習を取り入れることで、記憶が長持ちします。毎日長時間やらなくても、短時間で構いません。大切なのは、繰り返し記憶を呼び起こす機会を作ることです。このやり方は、塾だけでなくご家庭でも取り組めるやり方です。
ぜひ「楽しく、楽に」漢字を覚えていきましょう。



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