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漢検とは?

1. 概要

漢検とは?

漢検(日本漢字能力検定)は、日本漢字能力検定協会が主催する検定試験で、漢字の読み書きや意味、使い方に関する知識を評価することを目的としています。正式名称は「日本漢字能力検定」です。この検定は、日本国内外で広く実施されており、年齢や職業を問わず、多くの人々が受験しています。

目的と意義

漢検の主な目的は、漢字の正しい知識と使用法を普及させることです。具体的な意義としては以下の点が挙げられます

  • 日本文化の理解促進:漢字は日本文化の重要な要素であり、その理解を深めることができます。

  • 学習の動機付け:漢検を目指すことで学習の目標が明確になり、学習意欲が向上します。

  • 漢字能力の向上:体系的に漢字を学ぶことで、読み書きの能力が向上し、日常生活や仕事での活用が広がります。

2. 漢検試験の構成

漢検(日本漢字能力検定)は、漢字の知識と能力を評価するために設計された試験で、10級から1級までの12段階の級に分かれています。以下に、各級の試験構成と特徴を詳しく説明します。

級とレベル

  • 4級: 中学校1年生修了程度

  • 3級: 中学校卒業程度

  • 準2級: 高校在学程度

  • 2級: 高校卒業程度

  • 準1級: 大学・一般程度

  • 1級: 大学・一般上級程度

試験の内容

試験は以下の要素から構成されます。各級ごとに出題内容が異なりますが、基本的な構成は共通しています。

  • 読み: 漢字の読み方を問う問題。

  • 書き: 読み仮名が与えられ、対応する漢字を書く問題。

  • 意味: 漢字や熟語の意味を問う問題。

  • 部首: 漢字の部首やその意味について問う問題(主に上位級)。

  • 熟語の構成: 熟語を構成する漢字の意味や関係を問う問題。

  • 四字熟語: 四字熟語の読みや意味を問う問題(主に上位級)。

  • 対義語・類義語: 漢字や熟語の対義語や類義語を問う問題(主に上位級)。

  • 文章題: 文章中の漢字の読みや書きを問う問題(主に上位級)。

 

 

試験形式

  • 筆記試験: 全級共通で筆記試験が行われます。

  • 面接試験: 1級および準1級の一部では、筆記試験に加えて口述試験が行われることがあります。

試験時間と問題数

  • 試験時間: 級によって異なりますが、30分から60分程度。

    • 10級から8級: 約30分

    • 7級から2級: 約60分

    • 準1級・1級: 約60分

  • 問題数: 各級とも100点満点のスコアで評価されますが、問題数は級によって異なります。

合格基準

  • 各級とも70点以上が合格ラインとされています。ただし、1級は難易度が高いため、若干の調整が行われることがあります。

実施回数と会場

  • 実施回数: 年に2~3回、全国各地の会場で実施されます。また、一部の級はオンラインでの受験も可能です。

  • 会場: 学校や公共施設、テストセンターなどが試験会場として使用されます。

受験料

  • 各級ごとに受験料が設定されており、級が上がるにつれて受験料も高くなります。

    •  

      10級から8級: 約1,500円
    • 7級から4級: 約2,000円

    • 3級から2級: 約2,500円

    • 準1級・1級: 約4,000円

このように、漢検は級ごとに異なる難易度と内容で構成されており、受験者の漢字能力を多角的に評価する試験となっています。

3. 学習方法と対策

1. 学習計画の立て方

  • 目標設定: 受験する級を決め、試験日までの学習計画を立てます。自分のペースに合わせて無理のないスケジュールを設定しましょう。

  • 時間配分: 毎日少しずつ学習することが重要です。短い時間でも継続することで、効率的に知識が定着します。

2. 学習ツール

  • 公式テキスト: 漢検協会が発行する公式のテキストを使用することをお勧めします。各級に対応した教材があり、出題傾向に沿った内容が掲載されています。

  • 問題集: 過去問題集や模擬試験問題集を活用し、実際の試験形式に慣れることが重要です。

  • オンライン教材: インターネット上には多くの無料および有料の学習サイトがあります。特に漢字の読み書きを練習できるアプリやサイトを利用すると便利です。

3. 効果的な勉強法

  • 繰り返し学習: 漢字は繰り返し練習することで覚えやすくなります。書き取りや読みの練習を繰り返しましょう。

  • 書く練習: 漢字を書くことで、形や筆順を覚えやすくなります。手書きでノートに練習することをお勧めします。

  • 音読: 漢字の読みを声に出して確認することで、記憶に定着しやすくなります。特に四字熟語や難読漢字は音読が効果的です。

4. 過去問と模擬試験

  • 過去問演習: 過去問を解くことで、出題傾向や問題形式に慣れることができます。解答解説を確認しながら、自分の弱点を把握しましょう。

  • 模擬試験: 本番と同じ形式で模擬試験を実施することで、試験当日の雰囲気に慣れることができます。制限時間内に解く練習も重要です。

4. 級別の対策

漢検4級の勉強方法 

漢検4級では「知らない漢字の読み・書きを覚える」暗記が、勉強法の中心になります。漢字を知っているだけでなく、実際に漢字を読んで書けるようになるまで、基礎の徹底が必要です。

漢字の読みは声に出して覚えると、覚えやすくなります。また四字熟語も声に出してリズムで覚えると、記憶に定着しやすくなります。

漢字の書きは、書き順・トメ・ハネ・ハライを守りながら、繰り返し手を動かして練習することがポイントです。誤字訂正の問題は、意味を意識して勉強すると、知らない漢字が出題された際に文脈で推測して解答できます。

漢検3級の勉強方法 

漢検3級の勉強法は、前述の漢検4級とほぼ同じです。実際に漢字を書きながら覚えるといいでしょう。漢検3級の対象漢字数は、漢検4級よりも285字多くなります。漢検4級に合格できた方や、義務教育をすでに終えている方は、新しい出題内容を重点的に覚えると、効率的に勉強できます。

漢検4級レベルの知識がまったくない方は、漢検4級で出題される範囲もあわせて勉強が必要です。読み・書きだけでなく、四字熟語や対義語・類義語なども、漢検3級のレベルに即した対策が求められます。

漢検準2級の勉強方法 

漢検準2級では、実際に手を動かして読み・書きするのはもちろん、得意な分野で確実に点数を確保することが重要です。配点の高い分野を優先的に勉強し、得意分野に仕上げるといいでしょう。

配点が高い分野以外は、日常のなかで勉強時間を確保します。通勤・通学中、休憩時間などのスキマ時間を活用し、勉強を進めます。漢字の暗記には時間と根気が必要になるため、試験本番1か月〜2か月前には対策を始めましょう。

漢検2級の勉強方法 

漢検2級は漢検準2級よりも200字程度しか対象漢字が増えません。しかし、2級からは合格基準が厳しくなり、80%以上点数を取らないと合格にはならない点に注意が必要です。

1つの漢字を見る際には、漢字を分解して部首を意識し、知識を定着させると新しい漢字を覚える際の定着がよくなります。例えば、「謎」という漢字は、部首が「言(ゴンベン)」で、右側に「迷(メイ)」がついているイメージで覚えます。

漢検2級は難易度が高いため、出題される全ジャンルを満遍なく対策することが重要です。過去問演習を中心に勉強を進め、出題傾向に慣れることを意識しましょう。

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